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無農薬が売り物のお店

【無農薬が売り物のお店】

できるだけ無農薬のものを扱います」と言ってスタートするお店がたくさんあります。

Caféなどの飲食店、パンなどの製造販売、自然食品店などの小売店 ・・・

 

いつも言っています。「できるだけ」という言葉の幅は驚くほど広い。

1% ~ 99% までがひとくくりになっています。

その見極めは非常に難しい。

しかし、その見極めができると「善意のお店」と「悪意のお店」が見えてくる。

そのお店の本当の目的が見えてくる。

 

お店全体で少なくとも50%以上が無農薬商品でなければ、「できるだけ無農薬のものを取り扱っています」と言ってはいけないのでは? と、私は思っています。

それ以下の場合は、「一部、無農薬商品も取り扱っています」と言うべきなのでは???

残念ながら、「できるだけ無農薬のものを取り扱っています」と言っているお店のほぼすべてが50%以下。 その多くは、実は、無農薬の割合が10%にも満たない。 それが世の中の現状なのでは!

 

以下のようなお店があったとします。

オープン当初、

年間売上1,000万円のお店

(無農薬のもの 200万円(20%)・無農薬以外のもの 800万円(80%))

順調に業績を伸ばし、年間売上5,000万円に

(無農薬のもの 400万円(8%)・無農薬以外のもの 4,600万円(92%))

さらに少し躍進して、年間売上1億円に

(無農薬のもの 600万円(6%)・無農薬以外のもの 9,400万円(94%))

 

さて、みなさんは、このお店が無農薬のものを広める貢献をしていると思いますか?

 

無農薬のものは順調に推移し、200万円ずつ増えました。

無農薬以外のものはもっともっと増えました。

無農薬の割合は、オープン当初20%でしたが、今では6%に減りました。

逆に無農薬以外のものは、800万円から9,400万円になり、この間に8,600万円も増えました。

無農薬でないものを8,600万円分も増やしたのです。

 

このお店は、農薬を使用したものを社会全体に広めている、と言えませんか?

 

私は、こうしたことに、いつもいつも矛盾を感じています。

これは、お店だけでなく消費者についても同じです。

「無農薬のものが欲しい」と言っている人はたくさんいます。

しかし、実際に、無農薬のものを購入する割合を少しずつ増やしている人は、ものすごく少ない。

 

製造する会社も、販売するお店も、購入する消費者も・・・

1年ごとに、たとえ1%でも・・・ 確実に無農薬の割合を増やしていったとしたら・・・

上記の例のようなことは起こらないと思うのです。

約20年前、社会全体で無農薬のものは 1% と言われていました。

そして今は、なんと、0.1% に減ってしまった。

世の中の99.9%の食品に何らかの農薬が使われている。

 

無農薬、オーガニック、自然農などなどの言葉が氾濫しているので、安全なものが増えている、と思っている人も多いでしょう。

そう思ったら、まず、あなたの家の中を見渡してみてください。身内の状況を考えてみてください。お友達の消費行動を観察してみてください。

家庭内の食べ物の10%以上が無農薬のもの、という家庭がどれだけあるでしょう?

あなたの家庭外にはほとんどないのでは?

あなたの家庭では、1年に1%でもいいから、無農薬のものが増えていますか?

 

「農薬は良くない!」「無農薬のものが欲しい!」と、どれだけ叫んでも、叫んでいる本人が農薬漬けのものを大量に購入し続けているのですから、無農薬のものが増えるはずがないですよね。

 

すべてのスタートは、まずあなたです。ひとりひとりです。他人ではありません。

あなたの家庭です。あなたの家庭が無農薬のものを増やさなければ、無農薬のものは増えないのです。

当たり前すぎるくらい当たり前のことです。

 

ピレスロイド系農薬・有機リン系農薬・ネオニコチノイド系農薬・天然系と言う名の化学物質での溶解農薬・・・

どれも有害です。

農薬の進化は、即効性を維持した状態での、遅行性と残留性!

人への影響が遅行性により、見えづらくなっています。(本当は見えているのに)

残留性の高さにより、悪影響が、次世代やさらに次の世代に引き継がれるようになっています。

 

これらに加えて、遺伝子組み換え食品の氾濫(反乱)。

 

「たとえ私一人だけの生活であっても、少なくとも私の家庭では、毎年1%以上、無農薬のものを増やしていく!」という強い意思と粘り・継続力を持った人が増えないとどうにもならない世の中になってしまったような気がしています。

一人で必死になっていると孤独になるでしょう。

孤独にならずに継続するためには仲間が必要なのでは? できれば身近に!

 

本気で農薬を減らしていくための仲間づくりをしていきませんか?

強制力のない、寄るも自由・離れるも自由、という仲間づくりを!

 

そして、「誤魔化しのない、無農薬が売り物のお店」を増やしていきましょう!!!

2017.02.25