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週休3日制の効用

【週休3日制の効用】

2019年1月から、大胆にも・・・ 週休3日制にした、にんぽう倶楽部です。

世間の常識から外れた選択。

毎週お越しいただいているお客さんには、比較的すんなり受け入れていただけましたが、時々見える方やお買い物に見えたことのない知り合いの方からは、さんざん批判されました。

「非常識だ!」「身勝手だ!」「お客さんのことを考えていない!」「そんなに楽をして儲けたいのか!」「サラリーマンの人たちに失礼だ!」・・・

覚悟はしていました。もっと多くの陰口を叩かれていることは承知しています。

 

でもね、おもしろいことに・・・ にんぽう倶楽部のことを大事に思ってくれて、にんぽう倶楽部を必要と感じている方たちからは、ほとんど苦情もクレームもないんです。

 

失礼な言い方ですが、批判をする人たちは、にんぽう倶楽部を必要としている人たちではなく、かつ、ほとんど利用しない人たちなんです。

お店の入り口に「柔軟剤を使用している方のご来店はお断りします」という表示をしたときもそうでした。

常に利用してくださる方からはものすごく好評でしたが、滅多に来店されない方からは「こんな失礼な店はない!」とさんざん叱られました。

 

これが何を意味するか・・・

無責任に・無関係に、矛盾した世間の常識を誰彼構わず一方的に押し付ける。

無責任に常識を押し付ける人たちに縛られた人が疲弊していく。

疲弊から逃れたかったら、押し付けられた常識を、一旦、なかったことにして考え直そう。

 

そんな中で、勇気を持って試した【週休3日制】です。

実際に試してみて・・・

「たった1日定休日を増やしただけなのに、心にも身体にも、こんなにも余裕ができるとは!」

定休日が増えたからといっても、仕事をしない日は1日もない。いろんな作業や資料作りや打ち合わせや・・・ それでも心は全く違う。

また、これまで夜12時までに布団に入れることは稀でしたが、週のうち半分くらいは12時までに布団に入ることができるようになりました。

目標は夜10時なんですが、ますは、数年かけて11時までに就寝できるようにしていきたいと思っています。

心と身体にこんなに余裕を持てたのはいつ以来だろう?

振り返って見ると小学校以来かもしれない。

中学時代には、「あれもしたい、これもしたい、やろうと思えば何でもできる、ず~っと寝ずにいられたら、したいことが無限大にできる!」そんな風に考えていた。

それ以来、常にガムシャラだった。

途中からは、ガムシャラに過ごさないと生活が維持できない状態になっていた。

ガムシャラに過ごすことで、生活するためのギリギリの収入を何とか得てきた、という感じになっていた。

そしていつしか、自ら疲弊。

疲弊の中で人と会うとどうしてもきつくなる。

そんな悪循環を自ら作り出し、そして、こんな私でも、世間の常識・・・「休みを増やすことは良くないこと」という“見えない世間の空気・圧力”に縛られて・・・

 

週休3日制で、何とか生活が維持できるだけの収入と利益を得ることができるようになれば・・・

(約5ヶ月経過した今、売上金額は昨年とほぼ同額。上出来です。ただし、元々が経営を継続することがかなり厳しい状況で持ちこたえてきた、という状況で、それは何も変わっていないんですけどね!)

 

【週休3日制】が安定してくると、常にお見えになる方々には、今までよりは落ち着いて接することができるようになる。そう感じています。

いろんな面で好循環を作り出していくことができたらいいな~ と思っています。

 

ただ、火曜日しかお店に来ることができない、というお客さんも何人かおみえになって、その方々には、大変な迷惑をかけてしまっています。

宅配便対応にしてくださったり、月に1~2回違う曜日にまとめ買いをしてくださったり・・・

有難いことです。こうした皆さんには、感謝以外の言葉が浮かびません。

 

お見えになるすべての方のすべての要望をかなえていこうとすると・・・

その究極が、年中無休・24時間営業なんですね。

お客さんの利便性に応える! 聞こえはいいですが、実はその真の目的は「競争に勝つ!」「ライバルからお客さんを奪う!」なんですね。

さらにエスカレートして・・・ 更なる価格競争、サービス競争になる。

働く人は、どんどん疲弊していき、低賃金の中でお盆もお正月も休めなくなる人をどんどん増やしていく。

 

この流れに異を唱える動きも少しずつ増えてきました。

まずは、働く人が心地よくできるようにしよう。

そうしなくては、心からの対応などできるはずもない、と。

 

私自身、実際に試してみてこんなことを思いました。

にんぽう倶楽部は、「日曜・月曜・火曜」を定休日にしました。

近隣に、にんぽう倶楽部と同じようなお店が出来、そのお店が「木曜・金曜・土曜」の定休日であってくれたらな!

そして、お客さんを奪い合うのではなく、競争をするのではなく、譲り合いながら・・・ ゆる~い協力関係を築いていく。

より安全な商品を紹介し合いながら、生産者さんや加工業者さんの一層の本気度を促す。

 

お店側がこうしたことを繰り返すことによって、消費者の人たちが、真に安心のお買い物ができるようになる。

でもね・・・ 消費者の人たちが、1円でも安いお店に集中するような動きをすると、こうした好循環を作ることはできない。大事なものがどんどん失われていくことになる。

大事なことを守ろうとするお店の維持継続も難しくなる。

同様に、周りのお客をすべて奪い取ろうとするお店が近隣にあると、こうした関係は作りにくくなる。

 

週休3日の小さなお店が、共存しながら経営が成り立つような社会、素敵だと思いませんか?

「私も挑戦してみたい!」「自分でもできそう!」 そういう人が増えて欲しいな~~~

自分らしく、自分のペースで、農薬・肥料・添加物を一切使用しない誤魔化しのない食べ物!

農家として生産者を目指す人! 加工品を製造することを目指す人! 小売業として販売を目指す人!

どんどん出て来て欲しいな~~~

 

今、サラリーマンで疲弊している人たちの中からも、「これならいける」という勇気が湧いて、新たな一歩を踏み出す人も増えてくる。

家族との時間を大事にしながら、心のこもった仕事を思う存分できるようになる。

社会全体が、このような流れになっていってくれたらいいな~ と思っているのですが!!!

 

 

自分だけがそうしても世の中は何も変わらない、それどころか、自らの生活も脅かされてしまう。

同業他社の顧客を奪うことが自らの成功への道、と思い込んでいるほとんどすべての経営者。

少しでも安全なものを1円でも安く手に入れようとするほとんどすべての消費者。

こうした現実を避けて通ることはできないでしょう。

 

でも・・・ 誰かが本気でその道を歩み出せば・・・ 必死でその継続を目指せば・・・ きっと同じ想いの人が増えてくる。

規模拡大・奪い合いではなく、規模縮小・譲り合いの仕事の仕方が心地よい、そんな人が増えてくると信じています。

規模縮小・譲り合いのお店を大切にする消費者もきっと増えてくる。

そういう消費者が増えてきたら、またまた「規模縮小・譲り合いのお店」が増えていく。

 

そんな社会を想像しながら・・・

世間の常識にとらわれないようにしながら、疲弊する人をできるだけ作らないような取り組みをしていきたいと思っています。

2019.05.31