正直な心…2014年末勉強会

私が、なぜ、店頭販売を中心に 顔の見える・会話のできるお店づくりをしようとするのか?

なぜ、ネット販売をしようとしないのか?

なぜ、効率的な店舗運営をしようとしないのか?

不思議に思われる方も多いことでしょう。

 

あなたは、よく分からない高額な商品をお友達に勧めることができますか?

自分が一度も使ったことのない商品を「これ、ものすごくいいよ!」って言うことができますか?

昔の個人商店は、お友達でなくてもちょくちょくお買い物に来てくれる人には、お友達を大切にするのと同じような感覚で商品を勧めたと思うのです。

使ったことのないものは「使ったことはないけど試してみる?」という前置きをしてから販売したと思うんです。

今、そういうお店がどれだけあるでしょう?

売れるものは何でも売る。

売れないもの(売ってはいけないもの)でも宣伝の仕方で売れるようにしてしまう。

その流れを作っているのが、コンビニであり、ファミレスであり、ドラッグストアであり、ネット販売なのでは!

仮に、確かなもの・安価で質の良いものを販売していたとしても、そこに人の心がどれだけ通っているでしょう?

人の心が通わないものは、どこかで必ず何らかの誤魔化しが始まります。

現代の経済至上主義の中では、人の心より、売上・利益という結果がすべてなのです。

心があるから少しの食い違い・すれ違い・勘違いも多少は我慢することができる。

心がなければ、ほんの些細なミスで、すぐに切り捨てられる。

そんな中で、本当に確かなもの・正直なものだけを追い求めて仕事ができると思いますか?

 

こんな偉そうなことを言っている私ですが、その内容は決して自慢できるものではありません。

良かれと思ってしたことが、逆に迷惑をかけてしまったり・・・ 良かれと思って説明したことが実はその人には適していなかったり・・・ 少しでも心が和むようにと発した言葉で相手を傷つけてしまったり・・・

ただ、ずるいことや卑怯なことに対しては、どんなに仲の良い人にでもどんなにお世話になった人にでもはっきりと言います。

「それは卑怯なことだから協力できません。もし、見ず知らずの人が同じことをしたとしたら、あなたはそれを受け入れますか?」と。

こうした態度に対して、私を「裏切り者」「恩知らず」扱いする人もいます。私はそれを甘んじて受け入れます。その後、縁を断ち切られたとしても受け入れます。

 

お友達に、「私の手作りだけど食べる? 腐るといけないから塩素をたっぷり入れといたよ!」ってできますか?

それができてしまうのが、コンビニやネット販売なのです。コンビニやネット販売に押されて経営が苦しくなると、自然食品店でさえも農薬入りのものを平然と「安全」と言うようになってしまった。

仲の良いお友達には正直に話すのに、名前も知らないお客さんには何でも売ってしまう。

そのことをお客さん自身に気付いて欲しいのです。私を信じて欲しいのではなく、お客さん自身にきちんと判断する癖を付けて欲しいのです。

その大切な一歩が、「名前を呼びあえる関係」 マニュアル・仕事の一環として名前を覚えるのではなく、何度も行き会う中で少しずつ会話ができるようになっていく関係、そうした積み重ねを大切にしたいのです。

こうしたことを大切にする人が増えれば増えるほど、食品偽装のない世の中が出来上がっていくと思っています。

危険な化学薬品を製造途中で使っていると分かれば、たとえ売上げが減ってもその商品を取り扱うことはできなくなるでしょう。買う人がきちんとこちらを向いていてくれることがわかれば、虫さえ退治できればいい、なんていう農薬の使い方をする農家も減っていくでしょう。

本当の安全を求めるのであれば、その前にもっと大切なことがある! そのことを知っていただくためのお店でありたい、と思っています。