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蜂蜜の残留農薬基準

【ハチミツの残留農薬基準】

ハチミツに対する、ネオニコチノイド系農薬の残留基準は、2015年までは、0.01 ppm でした。

日本では、安全性試験や毒性試験がきちんとされていない農薬で、かつ、政治的に許可を出したいものは、0.01 ppm にして認可する、という暗黙の了解(不文律)がある。

ミツバチの集団失踪、原因不明の大量死・・・ ネオニコチノイド系農薬が使われるようになってから大問題になっていました。

EU諸国では、早くから、使用制限・規制・禁止措置を取りました。

日本では、2015年から、20倍の0.2 ppm に緩和されました。

その経緯は・・・

2013年頃、愛媛大学を中心に、ハチミツの残留農薬調査が実施された。

かなりの規模調査だったようだ。

検体数は明らかにされていないが、驚くことに、調査検体すべてにおいて、基準値オーバー。

なんと、違反率100%!

農水省と厚労省は焦った。

そして、対処を始めた。

まずは、実態調査。

全国の大学機関にハチミツのネオニコチノイド系農薬の残留調査を依頼した。

集まった検体は608。数個を除いて、すべて0.01 ppm 以上の基準値違反。

その中で最も濃度の高かったものが、0.19 ppm 。

ここで、農水省と厚労省が取った手段は・・・

基準値を、0.2 ppm にして、すべて基準値以内とする方法だった。

こうして、晴れて、すべてのハチミツが基準値以内となった。それが2015年のこと。

言うに事欠いて・・・ 「国内のハチミツは、すべて基準値以内だから安全!」と安全宣言を大々的に繰り広げた。

何も悪いことをしていないのに、全量回収命令がでるかもしれない養蜂業者さんたちは、ホッとした。

それ以上に、ネオニコチノイド系農薬を大量に使用している大規模農家(米農家・野菜農家・果樹農家)がホッとした。これで、農薬の使用制限を受けなくて済む。

もっともっとホッとしたのは、農薬メーカー。

ネオニコチノイド系農薬の製造者は、日本企業。

厚労省も、基準値違反の取り締まりも指導もしなくて済むようになった。

こうして、ネオニコチノイド系農薬に関わる人たちは、みんな揃って万々歳!!!

一件落着。ちゃんちゃん、でした。

 

ここには、ひとつだけ、取り残された大きな問題がある。

0.01 ppm から 0.2 ppm (20倍)に基準値を緩和する際に、安全性試験も毒性試験も一切行われていないこと。

ミツバチ集団失踪、集団死の原因究明は何もできていない、何も解決していない。

ネオニコチノイド系農薬の「人への脳毒性・神経毒性」の問題は残されたまま。

0.01 ppm の濃度でも疑いがもたれていた、子どもたちの発達障害増加。

その関連性調査をしないままでの20倍の緩和。

そうです。国民、消費者への安全性、健康への影響が疑われているにも関わらず、規制や禁止ではなく、使用基準の大幅な緩和をしてしまったのです。

ネオニコチノイド系農薬の最大の危険性は、【動物・昆虫などへの脳障害・神経障害】です。

その問題を一切検討することもなく・・・

これが、官僚主導の政治・政策であることは決して忘れないでくださいね。

厚労省の諮問機関である、有識者のよる『食品安全委員会』

何の検討もなく、全会一致で“安全宣言”したことは言うまでもありません。

 

もうひとつ、おまけの問題。

こうした問題点について、

厚労省に問い合わせをすると「農薬の問題だから農水省に連絡してください」 渋々、

農水省に問い合わせをすると「食品の安全性の問題だから厚労省に連絡してください」 再び

厚労省に問い合わせをすると「食品安全委員会で安全とされたものを認可しただけです」

食品安全委員会に連絡すると「こちらは審査をするだけで許認可の判断は厚労省です」 そして

厚労省は、「審査内容は、企業秘密の内容があるのでお伝えできません」

環境省、消費者庁は、旧態依然の省庁の付属機関のようなものであり、もともと発言権がないので話にならない。

こうして、安全でないものが、なし崩し的に安全宣言され、世の中に次から次へと出回るようになる。

発達障害の子どもたちを本気で減らしたいと思うのであれば、

子どもたちを本気で守りたいと思うのであれば、・・・

 【農薬と柔軟剤を徹底的に避けよ!】

これが、国民すべてが最初にすべき対策です。

2017.12.14