今月の一枚

カラス(世間の常識を疑え!)

 

IMG_0023あけましておめでとうございます。

今年最初の「今月の1枚」は、なんと「カラス」です。

 

“カラス”というと、良い印象を持たない人がほとんどだと思います。

「ごみを荒らすから」「人を襲うから」「畑や田んぼを荒らすから」・・・ などなど・・・ が理由のようです。

 

でもね、私にとってのカラスは、これまでにおいては救世主以外の何物でもないのです。

愛知での話ですが、移転前の最後の5年間くらいは、3か所の畑で耕作をしていました。

いつもカラスがいるけれど、カラスに野菜などを取られたり荒らされたりしたことがないのです。

それどころか・・・ 他の鳥などが畑内に侵入しようとすると追い払っているのです。

 

私が、畑作業をしていると、23メートルくらいの距離を保ちながら、ず~っと一緒にいるのです。

立ち上がると一時的に逃げますが、しゃがんで作業をしているとすぐに近づいてきます。

 

トラクターで耕運していると、トラクターの前23メートルのところで、トラクターが進む速さに合わせて、後ろ向きに少しずつ下がっていくのです。

私の顔を見ながら、うれしそうに後ろ向きにピョン・ピョンと下がっていくのです。

 

普通は、耕運した後に出るだろう虫などを探して、トラクターの後ろについてくるんですよね。

でも、私の畑に来ていたカラスは、いつも私の前を、私を見ながら後ろ向きに下がっていくのです。

 

畑には、モグラの穴が縦横無尽にあるですが、モグラの被害も受けたことがないんです。

モグラの巣も何度か見つけて、モグラの赤ちゃんを非難させたこともあります。

イノシシの足跡も度々見かけましたが、イノシシの被害も受けたことがなかったんです。

また、年に1回か2回は、亀の産卵場所にもなっていました。

 

その畑から目と鼻の先の田んぼでは、毎年毎年、大量のカラスに田植え後の苗を抜かれて、毎度毎度てんやわんや・・・

その田んぼの主は、カラスを極端に毛嫌いしていて、カラスを見ると追い払う、爆竹を持ってくる、ロケット花火で追い払う、果ては、猟友会のメンバーを呼んで、行政の許可を得て、カラス撃ちを徹底し出す始末。

その結果、その田んぼは、毎年毎年、カラスの仕返しを受けるようになったのです。

それはそれは見事です。

何度植え直しをしても、これでもかというカラスが主のいないスキをぬって一斉に集まり、一気に苗を抜き去ります。

その田んぼだけで、周りの田んぼの苗は抜かないんです。

何年も何年もその光景を目にしてきました。

 

私の畑にいるカラスも、その時はきっと加勢しているんだろうな~ と思いながら眺めていました。

 

いろんなカラスの動きを観察しながら、私は、ひとつの結論に達しました。

【カラスは素直に賢い! ずる賢いのは人間の方だ!】という結論です。

 

 

年に何回か、その田んぼの周辺で、一斉にカラス撃ちをすることがあるのですが、逃げたカラスたちは、どういうわけか、私が耕作している畑ではなく、私の自宅前の電線に大集合して大合唱を始めるのです。

悲鳴にも似た鳴き声を一斉にあげながら、田んぼ周辺から逃げてきたカラスが次から次へと集まってくるのです。

 

私は心の中で

「ごめんな、助けてやりたいけど助けてやれない。助けてやると、今度は人間通しの争いになってしまうから。カラス撃ちが来たら、とにかく家の周りに集まれよ! 民家周辺では猟銃を撃ってはいけないことになっているから!」と、伝えるのです。

 

大集合したカラスたちが解散していったあと、例の田んぼを見に行くと、撃ち落されたカラスが畦道に沿って並べられて、担当者らしき人が、撃ち落したカラスの数を数えて解散。

1羽につき一定の額の補助金が出るらしい。

 

 

 

移転が決まり、借りている畑をすべて返却することになったので、いつも来るカラスに、「もうすぐ会えなくなるな、元気で過ごせよ! カラス撃ちが憎くても近づくなよ!」と伝えました。

それから数か月後、なんと、畑に来ない私に会いに来たのか・・・

自宅ではなく、お店に!!!

朝、お店に出勤したら、お店の玄関前で、羽を広げて・羽をバタつかせながら・閉まっている玄関のシャッターに向かって「カア~、グァア~、カッカッカ~・・・・」と大声をあげているのです。

「カー子か?」と声をかけると、大きな声で「カ~~~~~」と叫びながら飛んでいきました。

これがカー子との別れでした。

間違いなく、いつも畑に来ていたカラスです。

 

 

これ、物語のように感じるでしょ!

でもね、実話なんです。

私自身の実話なんです。

 

 

 

10月末に美作市に移転してきて、数日目から、毎朝、庭の電柱にやってくるカラスがいるんです。

カー子ではありません。

身体の大きさも顔も全く違います。

もしかしたら、このカラスと仲良くなれるかもしれない。

無理に近づこうとはせずに、自然に安心しあえる関係になっていけたらいいな~ と思っている。

 

 

一応、カラスに了解を得て(そのつもり)、写真を撮りました。

 

 

カラス嫌いの皆さん、

もし、実害を受けたことがなく、ただただ偏見でカラスを見ているのでしたら、一度、世間の常識を取り払って、冷静に、やさしい心で・気長に・根気よく、カラスを観察してみてください。

もしかしたら違う世界が広がるかもしれません。

 

カラスは、本当に賢いと思います。

人間がズルいことや、意地悪なことをしなければ、カラスも人間に嫌がらせをしなくなると思うのです。

 

でもね・・・ イタズラ好きなカラスは、嫌がらせではなく、気まぐれでイタズラをしますよ、きっとね。

集団のカラスを見ると、その中のイタズラ好きのカラスは、だいたい見分けがつきます。

ず~っと観察していると、イタズラ好きのカラスは、他のカラスにちょっかいをかけたり、どこかから何かを咥えてきて、仲間たちに見せびらかしたりしています。

そこで人間が目くじらをたてると、人間とのイタチごっこの争いが始まるのでは・・・

私は、そう思っています。

 

 

聞きかじりや偏見や世間の常識で物事を判断することがないように気を付けましょうね!!!

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2021.01.01