今月の一枚
夏野菜
【夏野菜】
7月ほぼ丸1か月間、体調を崩して畑に足を踏み入れることさえできませんでした。
この時期に、全く手を入れない・・・ これは、かなりの致命傷です。
そんな中でも、元気に育ってくれている野菜もたくさんありました。
自然栽培をする人たちの中には、「雑草」という言葉を嫌う人が多いのですが、私の場合、「人が一切手を加えることなく勝手に次々と出てくる様々な草」を総称して敢えて「雑草」と呼んでいます。
雑草に埋もれても元気に育ってくれる野菜もあれば、雑草に負けて枯れてしまう野菜もあります。
100株植えると、完全放置で元気に育ってくれる株は、5~10株くらい。
それなりに手を加えると、50~70株くらい。
一株一株癖を見極めて、タイミングを逸せず対処できれば90~95株が元気に育ってくれます。
しかし、現実は、一株一株の癖を見極めながら、個別対応していくことはほぼ不可能。
家庭菜園で、10~20株くらいの栽培であれば可能ですが・・・
ただし、同じ畑で自然栽培を10年以上続けていると、雑草の種類がどんどん変わっていき、野菜と馴染みやすい共存しやすい雑草たちに変わっていくんです。
今年1年目の畑、10年後は、私は70歳。
さてさて、畑も私もどうなっていることでしょう???
私の場合、野菜の種類によって、100~300株くらいの作付けをします。
今年は、初めての畑で、しっかり観察もしなくては・・・ と思っていたのですが・・・ なんとなんと、一番大事な時期に・・・
観察できなければ、手入れもできない・・・ 何とも歯痒いシーズンを過ごしました。
でもまあ、その間に、長年腫れていて、少し疲れが溜まるとすぐに腫れ上がる腎臓が・・・ かなり楽になったような気がします。
身体が必死でしてくれた浄化作用、もしかしたら、この先、少しの疲れで一気に腫れ上がるということが減ってくれるかもしれません。
ダルくなったり楽になったりを繰り返しながら、少しずつ良くなっているような気がします。
少なくとも、10年20年前より、腎臓の調子も肝臓の調子も良くなっていると思います。
8月に入って、少し動くことができるようになり・・・
ちょっと写真を撮ってきました。
きれいな花を咲かせる【オクラ】。
美味しい実も食べさせてくれました。
これから10月頃まで・・・ 少しずつ食べさせてくれると思います。
オクラ以上に雑草に囲まれた【ナス】。
それでも、何とか花を咲かせています。
例年は、8月1日~3日くらいに、地面から10cmくらいのところでバッサリ切って土寄せします。
すると、その後一気に、新芽が驚くほど元気に出てきて、10月末頃まで美味しいナスを食べさせてくれます。
残念ながら・・・ 今年は・・・ 土寄せをする体力はありそうもないので・・・ そのまま放置です。
どこまで実ってくれるのか??? それはそれで、新たな試行になるのでいいのかな?
夏野菜の代表と言えば【キュウリ】
初めての地で、最低気温の変化がつかめず、何度も苗つくりをやり直し、やっとの思いで育った苗を畑に定植したら・・・ なんと数日で、一気にウリハムシに襲われて・・・ 100株くらいが、見事に壊滅状態に!
写真は、その中の最も状態の良かったもの。
完全に諦めていたのですが・・・
な、な、な、なんと・・・ 葉もすべて見事になくなっていたものも含めて・・・ 半数以上が復活してきたのです。
残念ながら、その後のこれまで経験したことのない長雨で(1ヶ月近く、雨の降らない日がなかった)半分以上が枯れていってしまいましたが・・・
雑草に覆われて、ネットも見えないほどの中で・・・
そんな中でも元気に育って、美味しい実を付けてくれたものもあります。
ウリハムシも何のその・・・ 来るなら来てみろという勢いで育ってくれているものもあるのです。
そしてもうひとつ。
【ミニトマト】
タイミングを見計らった手のかけ方をきちんとすれば、見事に育ってくれるミニトマト。
なかなかタイミングを合わせて作業をすることができないのですが・・・ 今年は、それ以前の完全放置状態。
それでもやっぱり、どれだけかは、ちゃんと育ってくれている。
美味しそうな実でしょ! おいしいんです(ニコッ)。
たわわに実を実らせて・・・
まだまだこれから楽しませてくれそうですが・・・
中には、カメムシが待ち構えていて・・・ 実が青いうちから次から次へとカメムシに吸われてしまっている株もあります。
同じ畑の中で、ここまでの違い・・・ 不思議ですよね。
- 雑草に負けて枯れてしまうもの。
- 雑草と共存して元気に育つもの。
- 雑草さえも凌駕し、ミニトマト優勢で育つもの。
- 育ったかと思ったら、次から次へとカメムシが集まってしまうもの。
- 雑草とは関係なく元気に育たないもの。
本当にいろいろなんですよね。
一株一株を見比べていると、まるで、人間一人一人を見比べているような錯覚に陥ることもあります。
それが固定種なんですよね。
発芽後の成長の速さ・遅さ、
成長の早いものが大きく元気に育つとは限らない。
ダメかな? と思ったものが、想像以上に元気に大きく長い期間、育っていることもある。
人間も、ひとりひとり固定種なんですよね。
クローンではないんです。
(私は、【F1種の種から育つ農作物はクローン】と考えています。遺伝子操作・遺伝子組み換えは論外と考えています。)
ひとりひとり違っていて当たり前なのに・・・ どういう訳か・・・ すぐに人と比べて・・・ ああでもない・こうでもない・・・ と、みんなを同じようにしようとする。
学校の教科って??? みんな同じ答えを出さないといけないんですよね。
自然界に、みんな同じなんてことはあり得ないのに・・・
学校では、みんなが同じであることを良いこととし、みんなと違うことは良くないことにする。
この洗脳が一番怖い。
固定種の野菜ばかりを育てていると、一株一株の違いに毎年毎年驚かされます。
どのタイミングでどのように手をかけるのか・・・ 本当は一株一株みんな違うんです。
これって、大人が子供たちと関わるときと同じだと思うんです。
子どもたちだけでなく、職場などで、上司が部下や後輩にどんなタイミングでどんな対応をするのか・・・
今は、こういうことを考える人がほとんどいないように感じます。
みんな同じように育てようとする。
みんなが同じ結果を出すことが良いことのように仕向ける。
この発想、もともと無理のあることなんですよね。
無理のあることを押し通そうとするから、いろんな弊害が出てくる。
その弊害を、原点から解決するのではなく、臭い物に蓋をする方式でその場しのぎの解決をさせようとするから、ますます本質的な解決から遠ざかっていく。
虫が付いたら農薬、育ちが悪かったら肥料、という発想と同じですよね。
それを繰り返していると、ますます育ちが悪くなっていくから、クローンを作る。遺伝子組み換えを作る。
いじめがなくならないから、いじめに罰則や報告制度を作る。それでもなくならないから行動規制を一層厳しくする。みんな同じ言動をしないといけないような社会風潮を作る。
そんなことで解決できるはずもないのに・・・
単なる責任逃れ・・・ 管理者たちは、「私たちは、きちんと対策を立てたのだから責任はない。悪いのは、イジメる人やイジメられる人だ」と言っているようなものだ。
人間界も自然界も同じなのでは???
本当の原点と何なのか???
自然に即した野菜たちと向き合っていると、人間界の矛盾が炙り出されてくるような気がします。
2021.08.07