今月の一枚

キュウリの種取り

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【キュウリの種取り】

春に苗作りをして植えたキュウリ。

ネットを張って、定植をして、無事に育ってくれた中から一番元気な株を選んで、その中で一番美味しそうなキュウリを収穫せずに、食べるのを我慢して、大きくなって色が変わるのを待って、茎が切れそうなくらいギリギリまでネットにぶら下げたままにして・・・

その後、収穫。

 

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収穫後、自然に萎れてくるのを待って、萎れ始めたら種取りです。

 

 

 

 

萎れたキュウリを開くと、しっかり守られた中に種が大量にあります。

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取り出した種を洗って、

洗っても、まだしっかりと守られています。

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ヌルヌルを取りながら、浮いてきた種を取り除きます。

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しっかり乾燥させて、来春まで保管し、来春、再び苗作りをします。

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自然界であれば、大きくなって萎れたキュウリが、そのまま地面に落ち、ワタワタ・ヌルヌルに守られて、来春、その中の強い種だけが根を出し、地面に根付き、新芽を出し・・・

元気な種が多ければ、1ヶ所から大量に芽を出すことになります。

その中で生き延びるのは、おそらく1割未満。

 

種取りをした中で、どれがその一番元気で強い種なのか・・・ 大雑把には想像できますが、あくまで想定で、例外だらけが自然界。

 

いろんな野菜の種取りをしていると、一粒一粒の育ち方の違いに驚かされることばかりです。

 

元気のいい苗が、最後まで元気よく成長し、次の年へ良い種を残すとは限らない。

弱々しい苗が、元気のいい苗を追い越して、驚くほど元気になることは日常茶飯事。

 

ただ、全体としては、強そう・丈夫そうな種からは、元気な苗が育ち、元気に成長し・いい実をたくさん残してくれることが多い。

 

 

【固定種】【在来種】【自家採種】【F1種】【遺伝子操作種子】【遺伝子組み換え種子】【ゲノム編集種子】

種にはいろいろものがあります。

その違いは、みなさん自身でしっかり調べてくださいね。

ビックリ仰天・驚異・驚愕の事実を次から次へと知ることになるでしょう。

 

理想は、固定種または在来種の種からスタートして、できる限り自家採種を繰り返すこと。

自家採種をしている人がいたら、分けてもらって大事に育てて、そこから自家採種を始めること。

 

農薬・化学肥料、そして有機肥料さえも使用せずに育てた野菜から採取した種が理想ですが・・・ 市販品にそのような種は皆無ですね!!!

 

種取りの基本は、育った中の一番元気で一番美味しそうなものを、食べずに我慢して、最後の最後までジッと忍耐で待つこと。

そこから採取した種を、次の年も同じ場所で作付けする。

これを毎年毎年繰り返していくと、だんだん、味も育ちも良くなっていきます。

(世間の、「連作障害」の発想とは真逆です)

 

私の場合、「大根」と「おかのり」と「オクラ」と「ナス」と「わさび菜」は10年くらい自家採種を続けています。

 

「フランスエンドウ」も自家採種を続けていたのですが、何年か前に「日本エンドウ」と自然交配してしまい、莢が大きくなる前に固くなってしまうものが続出し、やむなく、購入種から再スタートしました。それでも3年以上自家採種しています。

 

 

にんぽう倶楽部で育てている野菜は、種蒔きや苗つくりの段階から、すべて、農薬・化学肥料・有機肥料、一切何も使いません。

畑の外から畑の中に何かを持ち込むということは一切しません。たとえ”安全”と言われる肥料であったとしても・・・

 

使用する種は、自家採種 または 固定種・在来種 です。

種を購入する場合、種子消毒した種は一切使用しません。

 

また、マルチシートは一切使用しません。

草対策にマルチシートを使う農家が多いと思うのですが、真夏に黒いマルチシートに覆われた中の土やその下の根を想像すると・・・  私がその野菜だったらものすごく嫌だな~~~ って感じます。

夏は、草管理が大変ですが、いろいろな草とともに育った野菜は、ものすごくおいしいです。

 

天然菌と純粋培養菌の美味しさの違いに似ているかもしれません。

そこまでの違いを感じられる人が、どんどんいなくなっている現代社会に大きな危惧を感じています。

 

 

野菜嫌いの子供で、「にんぽう倶楽部の野菜だけは食べたい!」と言ってくれる子が、想像以上に多いんです。

お母さんが、試しに、他で購入した野菜を出すと、「まずい!」と言って吐き出すんです。

こういう子供、驚くほど多くて・・・ ”なるほど” って、これまで何度も何度も感じてきました。

 

こういう味覚を大事に大事に育て・守っていきたいですよね。

 

【毒された日本人・大人たちが、毒されていない子どもたちを、どんどん、毒された世界に引きずり込む】

私は、日本の食事情を、このように捉えています。

 

ご家族で、家庭菜園を楽しみながら、さらには、種取りまでをも楽しむようになってくださいね。

学校での暗記脳を育てる弊害の対極にあるのが、何か一つでいいから、自然のサイクルを、科学の力を借りずに、最初から最後まで自ら体験することだと思います。

2021.10.14