お伝えしたいこと
〘 30年を振り返って・・・〙
にんぽう倶楽部の情報版 月刊「継続は力なり」 【第360号】 丸30年を迎えました。
30年の年月の中で最も強く感じたこと、それは、
『安全なものは、安全そうなものに圧し潰される』ということ。
食べ物も、生活用品も、そして人の心も ・・・
安全なものだけでスタートしたお店、日本全国たくさんありますよね。
でも、必ず途中で経営難にぶちあたる。
ほぼすべてのお店が、安全なものだけでなく、安全そうなものの取り扱いを始める。
そこから、なし崩し的に、安全なものではなく、安全そうなものが一気に増えていく。
しかし、安全そうなものについて、詳しい説明は敢えてせず、あくまで安全なものとして取り扱っていく。
その結果、安全なものは少しずつ隅に追いやられる。または、客寄せパンダ商品に徹することになる。
こうして、安全なものは、広がりかけては尻つぼみになり ・・・ そしてまた、広がりかけては尻つぼみになる、という繰り返しをすることになる。
安全そうなものを、安全なものと偽って(故意・過失は問わず)拡販するお店の特徴は、【規模拡大志向】です。
安全なものだけの取り扱いをしていて消えていってしまうお店は【確かなものしか扱いたくない】という強い想いがあります。
みなさんは、【規模拡大志向のお店】と【確かなものしか取り扱いたくないというお店】 どちらが残る世の中になって欲しいと思いますか?
ここで問題になるのが【安全の定義】です。
食べ物で言えば、私が考える定義は、
最低限の条件として
【農薬・化学肥料を一切使用していない原材料で添加物も一切使用していないもの】となります。
「そんなこと言ったら食べるものがないよね! だからもう少し安全の定義を緩くしないとね!」
これが、ほとんどすべてのお店と消費者の思考です。
いやいや、食べるものがあるとかないとかの話をしているのではありません。
【安全の定義】の話をしているんです。
安全の定義を緩くするかどうかという話をしているのではありません。
【安全とは!】という話をしているんです。
白か黒かを決める話をしているわけでもありません。
原発事故後の放射線量、事故前と事故後と安全基準が変わりましたよね、みなさんどう思いましたか?
本当は、安全の基準は変わらないのです。
それがその時々の都合で変わってしまう、って、どこかおかしいと思いませんか?
安全基準は変わらないけれど、使用・利用は認めます、というのであればわかります。
「同じじゃないか・・・」 いえいえ、全く違います。
多くの消費者が、安全だと思って使うのか、安全ではないけれど妥協して使うのか を自分で決めるのです。
安全基準が変わったら、消費者の判断基準がどんどん曖昧になってしまいます。関心もなくなってしまいます。
農薬は安全ですか、有害ですか? 有害だから農薬なんです。この定義は変わらないんです。
安全な農薬はありません。
低農薬だから安全? 天然農薬だから安全? いえいえ、有害です。
農薬を使った食材、安全ですか? 有害ですか?
天然農薬を使った食材は、安全ではなく安全そうなだけです。
ここを混同するから、安全なものが消えていってしまうのです。
安全そうなものがあってはいけない、と言っているのではありません。
これは「安全ですか?」 それとも 「安全そうですか?」 という話をしているんです。
安全そうなものをなくしたいと思っているのではなく、安全なものをなくしたくない!!! ただただそれだけなのです。
石けんと合成洗剤の関係も同じです。
合成洗剤の主成分【合成界面活性剤】は安全ですか?
「以前より有害性は少なくなっている」 合成洗剤擁護派の常套句です。
いやいや、安全か安全でないかと聞いているんです。
合成界面活性剤の一番の特徴は、どこにでも浸透することです。
界面活性作用が特徴だと思っている人が多いと思いますが・・・
私は、【合成界面活性剤】ではなく 【超強力浸透剤】と名前を変えて欲しいと思っています。
その成分だけでなく、他の成分も引き連れて一緒に浸透していきます。
だから、医薬品や農薬にも助剤として使用されるのです。
直接の有害性が少しばかり減ったと言っても、他の成分を浸透させる有害性は同じなのです。
皮膚バリアをいとも簡単に通過する。
通過してはいけないものも通過させてしまう。
そして血液に入り全身に循環してしまう。もちろん脳にも。
これが安全なものですか? ということなのです。
その昔、避妊薬の主成分は合成界面活性剤だった。
合成洗剤を使えば、不妊症になりやすくなる。当然のことなのに ・・・
不妊治療をしている病院・医院で、この説明をするところはほぼ皆無。
子どもができなくなる可能性が高い成分、安全ですか? ということなのです。
こういうことを知って、合成洗剤から石けんに切り替える人が、常に一定数います。
でも、合成洗剤と石けんのシェアは、97 : 3 です。30年以上変わっていません。
いや、もしかしたら、98 : 2 になっているかもしれません。
石けんを使う人が増えているのに、シェアは減っているかもしれない。
どうしてだと思いますか?
それ以上に合成洗剤の使用量が増えている。確かにそれもあるでしょう。
でもね、それ以上に、石けんに切り替えた人が、いつの間にか合成洗剤に逆戻り ・・・ こういう人が想像以上に多いのです。
石けんが使いにくいから? それもあるでしょう。
でもね、それ以上に、「安全そうな合成洗剤」に替える人が想像以上に多いのです。
「安全そうな合成洗剤」って???
「生分解性が高い」 「魚の実験で魚が死なない」 「植物油脂で作られている」 などなどの宣伝で、合成洗剤から石けんに切り替えた人たちを再び合成洗剤に逆戻りさせているのです。
その役目の多くを、自然食品店などがしている。
安全そうな合成洗剤を製造している企業の狙いはバッチリ! ですね。
つまり、こういうものを販売している自然食品店は、【合成洗剤】と【石けん】の根本的な違いを全く理解していない、ということです。
理解していたら販売できないですよね。
ところがところが、それを理解しているのに販売している自然食品店もたくさんあるのです。
どうして???
理由は簡単です。
「安全なもの」を売りたいのではなく、「安全そうなもの」をたくさん売って儲けたいだけなのです。
そういうお店の反論はみんな同じです。
「安全なものの販売を継続するために、何で利益を出すか、それが、少し妥協した商品なんです。価格を抑えることもできるし、それを求める消費者も多いのです」と。
「その理由は理解できます。では、安全そうな商品を販売するときに、その説明をお客さんにしていますか? お客さんには安全だと思わせて売っていませんか?」 と聞くと、
ほぼ例外なく、怒りの顔で沈黙となります。
その後、私の知らない所で、「にんぽう倶楽部」の誹謗中傷が広がります。
誹謗中傷の中身を私が耳にしたときは、すでに、その誹謗中傷がある程度沈静化した時です。
あとになって ・・・ 「今まで親切だった人のよそよそしさ ・・・ あの時の空気は、そういうことだったのか?」と ・・・ 思い至るのです。
私への誹謗中傷は、腹立たしいものではありますが、安全なものが広がってくれるのであれば、そんなことはどうでもいい。
しかし、その誹謗中傷が理由で、安全なものを購入していた人が安全そうなものに替えてしまうのであれば ・・・ それはなんとかしないといけないのでは!!! と感じます。
安全そうなものがどれだけあってもいいけれど、そのせいで安全なものが消えていく、という世の中にはしたくない!
ただそれだけのことなのに ・・・
これが、30年間で、最も強く感じたことであり、これから先、もっともっと大きな難題としてのしかかってくる大問題なのでは!!! と思っています。
こうしたことを、みなさんと一緒に考えて、一緒に安全なものを守っていけたらいいな~~~ と思っています。
少人数での勉強会や交流会や座談会などなど ・・・ 企画して私を呼んでくださいね。
出来る限り日程調整して、お伺いし、これまでの経験や想いをお伝えしたいと思います。
2025.04.24