気の向くままつぶやき

賢い主婦???

【“賢い主婦”???】

 どれくらい前だろう??? 10年以上前だろうか???
【賢い主婦】という言葉が大流行したのは。
今も流行っている言葉なのだろうか???

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この当時の【賢い主婦】とは、『良い商品を誰よりも安く購入することのできる主婦』という意味で使われていた。
私は、この言葉を聞くたびに腹立たしく思ったものだ。
それって・・・ 【賢い主婦】=【身勝手な主婦】=【自分さえよければいいという人】という意味になるのでは!!! と。
お店に来て自慢げに「こんな商品をこんなに安く買うことができた。すごいでしょ! 賢い主婦にならないとね!」なんて言葉を聞くと・・・
「その商品がご主人の会社の商品で、安売りを強いられて販売、そのせいで会社の利益が減ってご主人の給料が激減・・・ そんな状況でも安いもの漁りをする??? ご主人の会社は儲かったほうがいい。給料もどんどん上がって欲しい。でも、自分が何かを買う時は、良いものを誰よりも安く・1円でも安く買おうとする。それって・・・ この上ない身勝手だと思わない???」
ついついこう言ってしまうのです。言わずにはいられないのです(笑)。

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 これは主婦に限ったことではありません。
 会社やお店を経営している人の多くが、自身が作ったり売ったりするものはできるだけ安売りしたくないと思っている。でも・・・ 自分が消費者として何かを買おうとするときは、1円でも安いものを買おうとする。この矛盾に気付いて生活を見直そうとする人、どれだけいるのだろう???

私は、若い頃からこうしたことをいつも気にしてきた。

≪きちんとしたもの、誤魔化しがないものを安く買おうとしてはいけない!≫
 作り手が分かっていて、その人を・その商品を信頼しているのであれば、そのお店が成り立つと考えられる価格で買い物をしなくてはいけない。
このことをいつも意識していなくてはいけない。
 どうでもいいものや単なる大量生産品であれば、目くじら立てる必要はないかもしれないが・・・ そもそもそういう商品はできるだけ買わないようにするべきなのでは!!!

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もうひとつ、お店に来る人に時々話していたことがある。
 愛知時代のお客さんは、いろいろな職業の人、いろいろな趣味の人がいてバラエティーに富んでいた。
 そんな中、収入を得るための仕事はきちんと持っていて、趣味で何かを作る人(売る人)には常々伝えてきた。
 「本業の人のエリアを荒らすような売り方は決してしないように! 似たような商品の安売りをしないように! 本業と趣味、社会に与える影響は本質的に違うということを意識して欲しい。」と。

本職の人(長年、手間暇をかけて工夫を積み重ねて今の仕事を築き上げてきた人・消費者には分からないかもしれないが、見えない部分を大事に守り続ける仕事をしている人)の仕事を奪うようなことがあってはいけないと思っている。
 多くの消費者は、似たような商品があればすぐに安いほうに靡く。

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そのために失われていった仕事、その仕事こそが、自然環境や人の健康を守る大事な大事な仕事だったのではないか・・・
革細工を始めた人には、「安売りの皮原料の多くは、密猟や強制児童労働によるもので、その多くが日本に輸出されている。そういう材料は決して使わないように! 安いものには必ずそれなりの理由があるのです。たとえ趣味であっても、原材料だけでなく、人や金銭の流れも含めた社会全体の循環をしっかり吟味してくださいね!」と伝えた。

 さらにもうひとつ、健康問題や環境問題・・・ にわか弁士が増えすぎて・・・
 マスコミや行政の話を鵜呑みにして突っ走る人は論外として・・・
 マスコミなどの流れに異論を持って、「よ~し、本当に良いもの・確かなものをしっかり世間に広めるぞ!」と一気に突っ走しろうとする人、実は、マスコミを鵜呑みにする人たちよりも厄介なのです。

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 これまで、本当に良いもの・確かなものをしっかり世間に広めようとしてきた人たちはたくさんいます。
それでもなぜ広まらないのか。
その理由をしっかり検証してからスタートする人は皆無に等しいのです。

 「それは、売り込み方が悪かったからだろ・・・」「説明が下手だからだろ・・・」「周りの人の巻き込み方を工夫すればいいのに・・・」「そもそも商才のない人間がやっても無理なんだよ・・・」そんな理由に決めつけて、「自分は違う、自分はできる」と思い込んで突っ走る。

 「健康問題」「環境問題」の中身・本質を知る努力をしない人が、「健康問題」「環境問題」を語り、その【良いことゴッコ】に突っ走る。
 問題解決できると思いますか?
一つ間違えば、とんでもない方向に行ってしまいます。

 「健康問題」「環境問題」は、にわか仕立てで語れるようなものではないのです。
日々、常に意識する中で、日々、常に生活の一部とする努力をする中で、少しずつ少しずつ何となく分かってくるものなのです。
 少しずつ分かってきても、「これが絶対!」という答えは決してない。
それが「健康問題」「環境問題」なのです。
 こういうことまでをも含めて、人に伝えていく。

 伝えられた人も、同じように・・・ 自分なりに何となく分かってきた、と思えるようになるまでに相当な時間がかかる。その人がさらに他の人に伝えていく。
 そういう積み重ねをすべて飛ばして、味噌糞一緒に広めようとする人たちが、ものごとの本質を狂わせていく。
私はそう思っています。

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 大事なことを次世代に伝えていく、ということは、上辺・見せかけ・形式・知識としての「健康問題」「環境問題」ではないのです。
 一時的に分かったつもりになることほど怖いことはありません。
 力がある人ほど・・・ 言葉巧みな人ほど・・・ 影響力の大きい人ほど・・・ 関わる相手の考える力や感覚が養われる時間を奪い、理解できていない人たちを誘導してしまうのです。
 
 いかにも分かったように突っ走る人に振り回されてはいけない。
 それが「健康問題」「環境問題」の原点です。

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話は変わりますが・・・
 「繋がりましょう!」この言葉が流行り出したのはいつ頃だったろう???

 携帯と携帯を近づけて「ピッ」 アドレス交換完了。
「これで繋がりましたね!(ニコッ)」
 この軽々しさがどうにも好きになれない。
 今は、ラインのグループ作りなのかな???

 私には、「賢い主婦にならなくっちゃ・・・」という軽薄さに重なって見えてしまう。
 「良いものを広めよう!」と突っ走る。
そこに中身は伴わない。これも同様だ。

“良いものを広める”とは、“モノ”だけを広めることではないのです。
 「言葉遊びにいちいち目くじら立てても仕方ないだろ・・・」と多くの人に諫められてきた。
 でも、私は、目くじら立てずにはいられない。

 「賢い主婦にならなくっちゃ・・・」
 「繋がりましょう・・・」
 「良いこと・良いものは一気に広めなくては・・・」
 そういう人たちが、多くの地道な積み重ねを次から次へとぶち壊していく・・・
 
私は、こういう人たちをひっくるめて『健全な市場荒らす人たち』『健全な市場作りを妨害する人たち』と言う。

 【賢い主婦】というのは、世の中から有害なものが少しでも減っていくための眼を養いながら、それを家庭内で少しずつ着実に実践していける人のことをいうのでは!!!
 そうあって欲しいと願っています。
 市場荒らしにならないでくださいね。
市場荒らしに加担しないでくださいね。

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 子どもにスマホの動画を見せたりゲームをさせたりして喜んでいる親(大人)は論外。
 それが“論外”と分かったときには“時すでに遅し”・・・
 子どもは何も悪くない。
悪いのは大人です。
【子どもの生き方を問う前に、まずは、自らの生き方を問え!!!】

【良いものを広める】とは・・・

 その原材料すべてについて、「どこで・誰が・どのように関わり」、「どこで・誰が・どのように作り」、「どこで・誰が・どのように・誰に販売し」、「その結果、社会の流れがどのようになって行くのかの検証をする」

 これらすべてをひとつひとつ確認しながら、じっくりと積み重ねていくものなのです。

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【流行を作ってはいけない】 と口を酸っぱくし言い続ける理由、
 流行は、いずれ廃れる。
 本当に良いものであったら廃れさせてはいけない。
 だから・・・ 良いものを本当に・着実に広めたいと思うのであれば、流行を作ってはいけないのです。
 世間で言う、賢い主婦になってもいけないのです。

2023.05.29